唐突ですが、誤って数百GBのデータを削除してしまったことはありますか?自分はあります。しかもつい先日です。。。
今後、このようなことが起きないためにも、記録としてブログに残しておきます。
データの整理をするはずが、データを消すなんて。
W530というまだまだ現役のノートPCを購入したまでは良いのですが、これをメインPCにするべく、家のあちこちに分散しているHDDのデータをまとめて整理してました。
HDDのデータ整理って面倒なんですよね。一番簡単なのは、大容量のHDDを一つ買ってきて、とにかく気にせずにすべてのデータを集約することなんですが、最近買い物も多いし、数TBクラスのHDDがゴロゴロあるので、できる限り今あるHDDを再利用する方法で整理しようと考えました。
持っている中一番容量の大きいHDDを今後メインのデータ用HDDとして用いるために、それ以外のHDDにあるデータの中で不要なものを確認しつつ、必要なものはメインのHDDに移動していく、という方法です。
2TBや2.5TB、3TBのHDDがあるのですが、それぞれを確認してみるとどうやら重複データがかなりあるようなので、データの整理は困難を極めました。フォルダ構造は似ているのですが、保管データに差があるので、一旦一つにまとめてからメインのHDDに移動させたりしているうちに、2.5TBのHDDの内容が空にできたので、一旦フォーマットしたんです。
そこで悲劇は起きました。なんと誤って2.5TBの方じゃなくて2TBのHDDをフォーマットしちゃいました。。。
なんでそんなミスするの?と思った方もいると思いますが見てくださいこれ。
実はこんな感じで、2TBも2.5TBも(実は3TBも)同じWesternDejitalのHDDなんです。
この画像だとすぐ横に置いてあるので気づきそうなもんですが、実際にフォーマットする時には別の場所にあったHDDをSATA-USB変換スタンドに取り付けて、そのままフォーマットしてしまったんです。
ああーー!!と部屋の中で叫んでしまいましたが(笑、もう遅い。
2TBのHDDの中にあった動画データがすべて消え去ってしまいました。。。
そう、確かこの2TBのHDDには、動画データが入っていたはずです。動画データって言っても、TV番組とかじゃなくて、昔の家族をビデオ撮影したデータとかですから、さすがにあきらめきれません。
確か、こういう家族の画像や動画は他のHDDにもバックアップを取っていたはずなので、丸ごと失ったという事は無いと思いますが、直前まですべてのバックアップを取っているわけもなく、2TBのHDDにしかないデータがあったかもしれません。
そうなると、結局はこのHDDに何があったのか、確認する必要があります。
データ復旧ソフトを探す。
仕事では数年に一度、そういう「データを復旧させたい」みたいな話が出ることがあるんですよね。大抵、急にクラッシュしたサーバのデータとかなので、そういう場合は、プロの復旧サービスに高額なお金を払って頼むような、そういうレベルです。
今回はHDD自体は壊れてませんし、もっと復旧は簡単にできるはず。ひとまずネットでファイル復旧ソフトを探してみたところ、以下のページを見つけました。
EaseUSのData Recovery Wizard For Windows です。
実は似たようなものは複数見つけたのですが、EaseUSって自分が以前、HDDをSSDに換装するときに使ったソフトウェアのメーカーなんですよ。記事にもしているので良かったらそちらも見てみて下さい。
FMV DESKPOWER CE/C40にメモリ増設とSSD換装。
HDDの内容をSSDにコピーする、という以前の記事の時に、別のメーカーのソフトを試したら失敗したけど、EaseUSのもので成功したという実績もあるので、今回もEaseUS製のデータ復元ソフトを利用してみることにしました。
先ほどの誤って消去してしまった2TBのHDDはSATA-USB変換スタンドに刺さったまま、W530(ノートPC)に繋がっていますので、W530にデータ復元ソフトを入れ、そこから復元できるかを試します。
Data Recovery Wizard For WindowsにはFree版があるので、それを先ほどのページからダウンロードして、次へ次へでインストールします。インストール自体は簡単でした。
Data Recovery Wizardでデータ復元を試みる。
そして起動させると以下のような画面に。いくつかパーティションが見えていますが、一つだけ「USB」接続されているHDDがあるのがわかると思います。
USB接続の2TBHDDを選択すると、ディスクのスキャンが始まりました。しかし、残り時間がなんと5時間超え(汗。
容量も大きいので、すべてをスキャンするとなるとやはり時間がかかってしまうのかもしれませんね。
とにかく、待つしかありません。
復元できるファイル数が想定より多い⁉
スキャンが終了したら、なんかものすごい数のファイルが発見されたようです。
- 削除されたファイル 2
- 紛失ファイル 14044792
- 既存のファイル 2
自分がビデオ撮影したデータの数を超えるファイル数なので、他にもデータが保存されていたんでしょうね。
あと、これは想像ですが、こういう類のファイル復旧ソフトというのは、復旧できるものであれば全部表示するのだと思います。自分が誤ってフォーマットしてしまうよりも前に、このHDDを何度かフォーマットをし直して使っていたかもしれません。そんな古い頃のデータでさえも、スキャンの結果見つかったのであれば、復旧できる見込みがあるということですよね。
そういえば、神奈川県の行政文書を保存したHDDがオークションで売られてデータが流出、なんて事件もありましたね。
今回はむしろそのデータ復旧ソフトに助けられているわけですが、 ディスクを廃棄するときは気を付けないといけませんね。
紛失ファイルはファイル種別毎に表示される。
紛失ファイル、のフォルダ構造を確認してみたのですが、自分が思っていたフォルダ構造とは違うものが出てきました。
よく見ると、データ復元できるファイルが種別ごとにフォルダ分けされているようです。
つまり、自分が誤ってフォーマットしてしまった直前のディレクトリ構造が表示されるのではなく、ディレクトリ構造は無関係に、このHDDの中に保存されていたファイルを種別ごとに表示するようなインターフェースになっている、ということですね。
自分で思っていたフォルダの中以外にも、大事な動画データや画像データが保存されていたかもしれません。そう考えると、ファイル一つ一つを選ぶより、一旦丸ごと復元して、あとで選別する方がよさそうです。
なのでここでは、
- JPEG Graphics file(7675)
- Mpeg-2 Transport Stream(2611)
- Mpeg Transport Stream(670)
の3つを選択することにしました。
Mpeg-2 Transport Streamというのは拡張子が.m2tsのファイルで、Mpeg Transport Streamというのは.mtsのファイルですね。どちらもハンディカムのような機材で撮影した時の動画データです。
カッコの中の数字はファイル数だと思いますので、どんなものかわからないJpeg画像ファイルが大量に見つかりましたが、それも選んで復元してみます。
Free版だと復元できる容量に上限が。
とここで、このEaseUS Data Recovery Wizard Free版には制限があることに今さら気づきました。
Free版では、復旧したいHDDのスキャンは完全にやってくれますが、復元は2GBまでしか対応してない。ということです。
画像ならともかく、今回の復旧のメインは動画データなので2GBなんて1本分ぐらいですよね。
それでは事実上、Free版では全く意味がない、ということです。うーん、商売がうまい。。。
しかしまあ、スキャンも無事完了したということはきっと復元もちゃんとやってくれるんでしょう。。。Pro版なら、容量無制限でデータ復元してくれるようです。
期待を込めて、Pro版のライセンスを入手して、データ復元作業を進めることにしました。
ライセンスコードを入力すると、データ復元先をどこにするか指定する画面が表示されます。
ここでは PC本体のSSD に「restore」というフォルダ作成し、そこにデータ復元させることにしました。
今更ですがデータ復旧時の諸注意。
ここで注意ですが、上記画面にも記載がありますが、データ復元元とデータ復元先を同じドライブにすることは絶対にやめた方が良いです。
Windows上でHDDを見ていると、なんとなく、HDDの先頭から順にファイルが並んで保存されており、データがない部分は後ろの方のスペース、というようなイメージを持つかもしれませんが、実際にはいろんな場所に散らばってデータが置かれています。
一つの大きなファイルでもHDDの中では複数の位置にちりばめられて置かれているなんてこともあります。
そんな状況で、空きスペースに復元したデータを置いていく、なんていう操作をすると、誤って復元元のデータを壊してしまう可能性があります。
最近の修復ソフトは優秀なのかもしれませんが、自分はどうしても感覚的に信用できませんので、データ復元元からは読み取るだけにして、復元データの書き込みは物理的に別のドライブにしたほうが復旧の成功率を上げるはずです。
※そんな偉そうに語る奴が間違ってフォーマットするかね?という声が聞こえてきそうですが。。。
いよいよデータ復元開始。
ということで、データ復元(リカバリー)を開始させます。「リカバリー」をクリックしたら、あとは待つのみです。
そして数時間後、無事、データ復元が完了しました!
復元済みのファイル数は10956個。先ほどの復元対象のファイル数と合致しますので、すべてのファイルの復元ができたようです。
しかも413.81GBって(汗。ほんとすべて消えていたらヤバかったですね。
もともと、複数のHDDにあちこちデータをコピーしていたので、別のHDDにも同じデータが保存されている可能性はあるのですが、このHDDにしかないデータもあったのでは?と考えると、やはり復元させるしかありませんでした。
無事データ復元できて本当に良かったと思います。
無事データ復元成功。
ちなみに、復元できたファイルは、先ほどの復元するファイルを選択する際のディレクトリ構造と同じ状態で保存されていました。
これはもう普通のWindowsエクスプローラーで操作できるディレクトリですので、ここから必要なデータをまた別のPCやHDDなどに移動するなりコピーするなりすればよいわけですね。
こういったデータ復旧ソフトって本当に久しぶりに使った気がしますが、 ここまで来るのに実は丸2日ぐらいかかっています。
ほとんどが待ち時間ですが、平日作業でしたので、ボタンをクリックしてあとは祈って外出。帰宅したら次の操作をしてまた待つっていう感じで、無事にデータ復元することができました。
安全にデータ復元を行うための注意点をおさらい。
ですが、もし少しでも確実にデータ復元させたいのであれば、以下のことを注意した方が良いと思います。
- 誤ってフォーマット操作やデータの削除をしてしまった場合、その後は極力HDDの操作をせず、すぐにデータ復旧ソフトを使う。
- データ復旧ソフトは、データを復元したいHDDにインストールしない。
- データ復元先のドライブは、データ復元元のドライブとは物理的に別の場所にする。
全て、先ほど書いた理由からきています。とにかく、データ復旧させたいHDDを手動でも自動でも触らない方が良いです。これは復旧させたいのがSSDだった場合でも同様です。
ちなみに、最近のWindowsですと自動的にデフラグ(ディスク内のファイルの再配置)をしてくれる機能がありますが、これもデータ復元が終了するまではやらせないようにした方が良いと思います。
そのため、内蔵のHDDの場合でしたら、
- 自動デフラグ設定を無効にする
- 一旦HDDを取り外す
- PCの電源を切っておく
などを行ってください。
外付けHDDの場合は、電源を切っておくだけでよいので比較的安全ですね。
PC1台、HDD1台の環境でのデータ復元はどうする⁉
一番厄介なのは、1台しかないPCの1台しか無いHDD(SSD)の中のデータを誤って削除してしまったケースですね。
この場合は、すぐにディスクをPC本体から取り外し、今回自分が使っているような外付けのSATA-USB変換などにディスクを差し、それを別のPCに接続して、別のPCにデータ復旧ソフトをインストールして、データ復旧させるのが一番成功率が上がるはずです。
最近流行りのM.2 NVMe SSDを使っている場合でもUSB変換できるものが販売されていますので、そちらを一つ持っておくと安心かもしれませんね。
もう1台PCがない、という人は、知人に助けてもらうか、安いのでも良いのでもう1台PCがあると、こういった不測の事態に備えられると思います。
ということで、自分も含め、データの消失には気を付けましょうね、というお話でした。